この記事では
・総合型選抜って他の試験と何が違うの?
・学力試験は自信がないから、別の試験で挑戦したい
という人のために、総合型選抜のしくみについて解説します
01・総合選抜ってどんなテスト?
総合型選抜って名前をそもそも聞いたことがない
何をする試験かよくわからない
という人も多いのではないでしょうか。
まず初めに、総合型選抜の概要についてお知らせします。
総合型選抜は以前はAO入試と言われていたものです。
試験内容は各大学が独自に作成したものになり、
事前課題を課される場合がほとんどです。
実施は各大学で例年、9月から実施されます。
専門学校などでは実際の試験が6月ごろから実施されている場合も多くなります。
試験は1日で行われることが多く、
提出された事前課題について問われることが中心です。
事前課題は、論文や、テーマに合わせた調べ学習が多く提出されています。
当日は事前課題についての質疑応答、面接試験、グループディスカッションなどが行われます。
各大学独自の試験となり、過去の問題を把握して、
入念に準備することが重要になります。
02・出願の仕方
出願は各大学の募集要項に従う必要があります。
【国立大学・私立大学】
例年6月頃に募集要項が発表されます。
発表された内容にそって、出願書類や事前課題を揃えます。
事前課題は作成に時間がかかるため、
面接練習などは事前に済ませておくことをお勧めします。
【専門学校】
専門学校は、一般的に大学より早い段階で募集要項が発表されます。
新年度の4月過ぎには発表されていることが多いです。
また、名称も総合型選抜ではなく、AO入試と呼ばれていることが一般的です。
専門学校のAO入試においては注意が必要です。
出願は9月以降だけれど、出願前面接や出願前面談という形で、
6月ごろに試験が実施されることが見込まれます。
3年次に進学してすぐに試験となるとあらかじめ進路について、
方向性が決まっていないとかなり難しくなります。
03・総合型選抜を利用する場面
総合型選抜は、
学力試験だけでは測れない多角的な能力や個性を持つ学生を評価するための入試制度です。
主に以下のような場面で利用されます。
【志望校に強い熱意がある場合】
通常の一般選抜では、学科試験の点数のみで合否が決まるため、
志望校への熱意をアピールする機会がありません。
総合型選抜では、志望理由書や面接を通じて、
なぜその大学・学部で学びたいのか、
入学後に何をしたいのかといった熱意を伝えられます。
【特定分野で実績や経験がある場合】
高校時代に学業以外で突出した活動や実績を持つ学生に向いています。例えば、以下のような例が挙げられます。
- 部活動:全国大会出場、キャプテンとしてチームをまとめた経験
- ボランティア活動:地域活性化プロジェクト、国際ボランティア
- 生徒会活動:生徒会長、学校行事の企画・運営
- 探究活動:特定のテーマで論文や研究を発表した経験
これらの経験は、活動報告書やポートフォリオを通じて具体的にアピールできます。
【コミュニケーション能力や思考力を評価してほしい場合】
総合型選抜では、面接やグループディスカッション、プレゼンテーションが課されることが多く、以下のような能力が評価されます。
- コミュニケーション能力:自分の意見を論理的に伝え、他者の意見を理解する力
- 思考力:与えられた課題に対して多角的に考え、解決策を導き出す力
- 表現力:自分の考えを説得力のある形で伝える力
【学力試験が苦手な場合】
一般選抜の共通テストや個別試験で高得点を取るのが難しいと感じている学生でも、
総合型選抜であれば、得意な分野や個性、潜在能力を評価してもらえます。
ただし、多くの大学で評定平均値が一定以上求められたり、
小論文やプレゼンテーションの準備が必要だったりするため、
全く学力が問われないわけではありません。
04・総合型選抜に向いている人、向いていない人
総合型選抜は、学力試験以外の個性や能力を評価する入試方式です。
そのため、向いている人と向いていない人がはっきりと分かれます。
【総合型選抜に向いている人】
総合型選抜に向いているのは、学力試験の成績だけでなく、以下のような特徴を持つ人です。
- 特定の分野に強い関心や実績がある人:部活動で高い実績を残した、ボランティア活動に熱心に取り組んだ、特定のテーマで探究活動を行ったなど、学力以外の「強み」をアピールしたい人に向いています。
- 主体的に学ぶ意欲がある人:大学で何を学びたいか、将来どうなりたいかといった明確なビジョンを持ち、それを積極的に表現できる人。面接や志望理由書でその熱意を伝えられます。
- コミュニケーション能力や表現力が高い人:面接やグループディスカッション、プレゼンテーションが課されることが多く、自分の考えを論理的に、かつ説得力をもって伝えられる人は有利です。
【総合型選抜に向いていない人】
一方で、以下のような人は総合型選抜には向いていない可能性があります。
- 高校生活で突出した活動がない人:総合型選抜では、部活動や生徒会、ボランティアなど、学力以外の活動が評価の対象になります。そうしたアピールできる実績がない場合、一般選抜の方が有利なケースが多いです。
- 主体性や熱意をアピールするのが苦手な人:面接や志望理由書で、自分の個性や学びへの意欲をアピールすることが求められます。それが苦手な人や、漠然と大学に行きたいと考えているだけの人には向いていません。
- 文章力やプレゼン能力が低い人:小論文や志望理由書の作成、プレゼンテーション能力が重要になります。これらに自信がない人は苦労するかもしれません。
総合型選抜は、自分自身の個性や強みを深く見つめ直し、それを大学にアピールする力が試されます。自分の特性を理解した上で、どちらの入試方式が自分に合っているかを慎重に検討することが重要です。
まとめ
総合型選抜に挑戦する場合、早めの準備が不可欠です。
まずは、自分の強みやこれまでの経験を振り返り、
将来のビジョンを明確にすることが大切です。
志望する大学や学部の情報を徹底的に調べ、
なぜそこを志望するのか、
説得力のある志望理由書を作成しましょう。
面接や小論文対策も怠らず、
計画的に準備を進めることで、合格に一歩近づくことができます。


コメント